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ビジネス・インタビュー 「ハチヤ事務所」 【杉田】

2007年6月作成
ハチヤ事務所ホームページ
★地域密着の若き社労士の「お仕事の中身」を詳しく伺いました★
蜂谷代表
蜂谷代表
社労士って知っていますか? 「しゃろうし」と読みます。正式には社会保険労務士。

社労士は、企業の人事・雇用問題に関するトラブル相談を受けたり、就業規則の整備のアドバイスをしたり、あるいは労災、年金、給与、などなどに関する諸手続きを代行したり、そういったいわゆる労務管理のお手伝いをする職業です。

20代の後半で安定した会社を辞めて脱サラし、歴史ある社労士事務所での修行時代を経て、現在は杉田で地域密着の「ハチヤ事務所」を構える、磯子区生まれ磯子区育ちの若き社労士、蜂谷さんにお話しを伺いました。





蜂谷代表にインタビュー
事務所概要 業務内容など
インタビュー1 特定社労士は労使トラブルの専門家です。
インタビュー2 フットワークの軽さには自信があります。
インタビュー3 規模が大きくない会社の方が、むしろ就労管理の重要性は高い。
インタビュー4 「将来、後悔したくない」と社労士の道へ new!
インタビュー5 磯子区民で良かったなと、誇りに思ってます。 new!
インタビュー6 YAWARA!の最終巻で泣くのは僕ぐらい。 new!
※このページの情報は取材時点でのものです。
事務所概要
名称 ハチヤ事務所
所長 蜂谷 太一
資格 ○特定社会保険労務士
○第1回紛争解決手続代理業務試験合格
所在地 横浜市磯子区杉田1−6−10−202
電話 045−775−1804 (原則、平日の午前9:00〜午後5:00)
FAX 045−775−1858
アクセス JR根岸線・シーサイドライン 新杉田駅より徒歩約2分
京急本線 杉田駅より徒歩約5分
読者サービス 顧問契約を同時にご契約頂いた事業所様には、労働保険(労災・雇用保険)、社会保険(健康保険、厚生年金)の新規適用手続費用を、通常の50%オフ(半額)
業務内容 ○職場トラブルの解決、指導
○人事労務管理、労働社会保険関係の相談指導
○労働社会保険諸法令の手続代理、代行
○派遣業の許可、届出
○事業主の労災保険特別加入手続き
○就業規則の作成、変更
○労働基準監督署の是正勧告への対応
○その他人事労務管理に関すること
ホームページ http://hachiya-office.sakura.ne.jp/
メール assen@hachiya-office.sakura.ne.jp
資格 特定社会保険労務士
開所日 2005年(平成17年)4月1日
特定社労士は労使トラブルの専門家です。
蜂谷代表
蜂谷 太一(はちや・たいち)さん
33歳('74年生まれ)
出身:磯子区
磯子区歴:生まれたときから現在まで磯子区。
ご家族:奥様
おすすめのお店:満州軒(ラーメン)
---社労士ってなんですか?
蜂谷(蜂谷代表):社会保険労務士を略して社労士(しゃろうし)って言うんですが、国家資格者です。弁護士、税理士、司法書士、行政書士などを総称して、「士業」(しぎょう)と言うことがあるんですが、社労士もそのうちのひとつです。
わかりやすく言うと、経理のことは税理士さんに。人事、労務管理のことは社労士にっていう感覚です。

---具体的にはどんなお仕事なんでしょう?
蜂谷:ひとことでいうと企業の人事や労務に関する相談や、従業員が入社したり、退職したりしたときの社会保険など諸手続きの代理・代行ですね。でも実際には非常に多岐に渡りますので、社労士によって、あるいは事務所によって得意としている分野がわかれてくるものなんです。ハチヤ事務所は労働問題、人事労務管理を得意にしている特定社労士の事務所です。

磯マガ注:社会保険労務士については、Wikipediaのコチラのページでも詳しく説明されています。

---蜂谷さんは特定社労士なんですね?
蜂谷:はい。これまで、社労士っていうと、労災などの社会保険手続きの代行をする職業っていうイメージが強かったんですが、特定社労士という新しい資格は、従来の社労士業務に加えて、労使トラブルの解決をお手伝いする専門家に与えられるものなんです。

---特定社労士になるにはどうしたら?
社労士の中でも、特定社労士のための研修を受講し、紛争解決手続代理業務試験に合格すると特定社労士になれます。
普通の社労士との主な違いは、あっせんの代理人になれることです。

---「あっせん」ですか?
蜂谷:はい。簡単に言うと、労使間で紛争、トラブルが発生したときの調停とか和解の場です。労働問題だけじゃないんですけど、ADRが今さかんに言われています。

---ADR?
日本語にすると裁判外紛争解決機関です。ADRは、労働問題だけじゃなくて、不動産のトラブルとか税務のトラブルとか、さまざまな分野で言われているものです。要は、裁判をすると時間もお金もかかる。それで、裁判のような強制力はありませんが、裁判以外にも解決の選択肢を増やしましょうっていうものですね。そういう流れの中で、労働問題の分野では、都道府県の労働局の紛争調整委員会による「あっせん」という制度が、平成14年頃から始まりました。

---裁判より簡単なんですか?
蜂谷:はい。費用的にも裁判に比べると少なくて済みます。無料のサービスなんで、行政の費用は一切かからないです。本人だけでもできる制度ですので、かかるのは代理人を依頼した場合の費用だけです。期間も短くて済みますね。それと、裁判とは違って非公開です。

---簡易裁判所と同じようなものなんでしょうか?
蜂谷:あぁ、ちょっと違いますね。あれはあくまでも裁判ですけど、ADRは原則、調停です。白黒つける制度ではないんです。

---裁判で言う「和解」を目指すものですか?
蜂谷:そうですね。だからその分、裁判とは違って柔軟な解決策を生み出しやすいんです。裁判はどうしても勝ちか負けかになっちゃいますから。でも、労使トラブルって、そういう風に割り切ることがなかなか難しいんですよ。会社にも悪い点はあったけど、働いている側にも問題はあったというようなケースが多い。「じゃあ6:4ぐらいで」っていうのをうまくおさめることができるのが調停の利点ですね。

---だけど今までは当事者が自分でやるしかなかった?
蜂谷:そうです。今までも社労士が代理人になれたんですけど、あっせんにおける権限があまり大きくなかったんですね。で、特定社労士ができて、関与できる部分が増えたんです。

---具体的には?
蜂谷:大きいのは、あっせん期日の前に、事前に下交渉ができるようになったことですね。あっせんは申請して実施されるものなんですね、申請すると「じゃぁ、いついつやりましょう」って期日が決まります。で、今まではその当日、あっせんの場になるまで相手方との交渉は一切できなかったんですけど、それが特定社労士なら事前の交渉ができるようになったので、あっせんを、よりスムーズに進めることができるんです。

---新しい資格なんですか?
蜂谷:はい。特定社労士は2007年4月に始まったばかりで、僕はその一期生になります。

---社労士の中でも、労使紛争のトラブルに強いということですね?
蜂谷:そうですね。あっせんは、基本的にはトラブルの当事者でもできる制度なんですけど、ただやっぱり色んな専門知識が必要になるので、裁判で弁護士さんにお願いするのと同じように、あっせんでは特定社労士に代理を頼めるっていうことですね。

---特定社労士は全国で何人くらい?
蜂谷:まだ少ないんですよ。5,000人とかそのくらいだと思いますね。
フットワークの軽さには自信があります。
蜂谷代表---ハチヤ事務所の特長は?
蜂谷:社労士の平均年齢って、大げさじゃなくて50代ぐらいだと思うんですよ。僕は平均年齢と比べると抜群に若いので、フットワークの軽さには自信があります。

---具体的には?
蜂谷:バイクでも行きますし、「すぐ来て」って言われれば「わかりました」って行っちゃうような感じですね。
それと、新しい分野にも積極的にチャレンジしています。法改正とか制度変更とか、最新の情報もしっかり勉強して、お客様にお伝えするよう心がけています。たとえば、労働保険とか社会保険の手続きがパソコンなどから電子申請できるようになったんですが、そういうことにも積極的に取り組んでいます。

---得意な分野は?
従来の社労士は、手続きがメインっていうイメージが強いんですよ。「人が入りました、辞めました」とか「労働保険の申告の時期が来ました」っていうようなときのお仕事がメインの、事務手続き屋さん、みたいな。
僕はそう言うイメージとはちょっと違って、労働問題とか就業規則などの労務管理に関する相談や対応を得意にしています。もちろんお客様によっては社会保険などの代行業務の依頼もあるので、そういった経験も豊富です。

---労務管理っていうのは?
蜂谷:従業員を雇用していると生じるいろんな問題についてご相談に応じたり、法律の改正もけっこう頻繁にあるので、そういうお問合せに対する回答ですね。それと、特に具体的なご相談がなくても、僕の場合は、ご委託頂いているお客様には毎月、自分で作ってる「ハチヤ事務所ニュース」をお渡ししています。労務管理に関係する最新のトピックですとか、そいうった情報を掲載しています。

---労務管理に力を入れているのはどうしてなんですか?
僕は既存の事務所を引き継いだわけではなくて、独立して自分で事務所を始めたので、他の社労士の人があまりやらない労使トラブルの関係に力を入れていこうかなって。

---労使トラブルに関する相談を得意にする社労士さんはまだ少ないですか?
蜂谷:そうですね。特に先ほどお話しした特定社労士が関与する部分っていうのは。制度としても最近できたばかりの新しい分野ですし。
それと、社労士がそういうトラブル解決のお手伝いをしてるってことが、世間的にはまだあまり知られてないです。社労士とお付き合いのある会社の方でも知らない場合が少なくないですね。トラブルが発生しても、「社労士に相談しよう」っていう発想にならないというか、社労士は「手続きを代行する人」だと思われてるので。

だから、以前の事務所にいるときにも何度かあったんですけど、相談ではなくて世間話として「こないだ雇用問題でトラブっちゃってさぁ」って僕に話してきたり。「そのときに僕に相談して頂ければいいお手伝いができたのに」っていうことがあったのは一度、二度じゃないですね。

ハチヤ事務所ニュース
これが「ハチヤ事務所便り」。クリックで一部が拡大表示できます。
もっと言ってしまうと、社労士が労災関係の手続き代行をやっているっていうことすら、ご存知ない社長さんも結構いらっしゃいます。「社労士ってなにやってる人?」って言われることは、まだまだ全然珍しくないですね。ちょっと知ってる人でも「保険屋さん」だと思ってらしたり。だから本当に認知度は低いんですよね。

---労使トラブルの相談で、気をつけているところは?
蜂谷:依頼人の方の話を良く聞くことですね。依頼人の側にまずい部分、たとえば解雇手続きが良くなかったとか、就労管理がきちんと行われていなかったとか、そういうことはままあるんですが、でもそれをその場で裁かない。「なんでそんなことしちゃったんですか!」って僕が言ったら、そこで話は終わってしまうんですね。裁くのではなく、解決策を考えなきゃいけない。そのためには、いろいろお話しを聞いていかなきゃいけないです。

それと、当事者の方はトラブルの本質を言い出しにくいっていうのがあるんですね。「こういうことがあって」「こうなって」「こうなって」っていうトラブルに発展するまでの細かな経緯は話してくださるんだけど、トラブルの本質は別のところにあったりするんですよ。だから切り口を変えて質問したりとか、そいういう点に気をつけています。
たとえば、従業員の方のお話しを伺うときも、「あなたはこうされた、じゃあ、他の人はどうでしたか?」「会社の雰囲気はどうでした?」とか。そういう話を聞いていくと、「その人だけじゃなかった、会社の環境が良くなかったかな」とか、逆に「その人の方にも多少、問題があった」っていうような本質がだんだん見えてくるんですね。そうすると、解決の糸口も見えてくるんです。
規模が大きくない会社の方が、むしろ就労管理の重要性は高い。
蜂谷代表---労務管理の大切さがわかる事例はありますか?
蜂谷:こんな事例はどうでしょう。

従業員が二人しかいない会社がありまして、僕が関与するまでは、社長さんが全くの自己流で労務管理をされてたんですね。で、ある日、社長さんが不用意に、入ったばっかりの従業員を解雇しちゃったんですね。そしたら、従業員の方が「それは納得いかない」と。で、一人で入れる労働組合に駆け込んだんですね。それで社長さんが「どうしましょう」って僕のところに相談にいらして。

お話しをよく伺ったら、従業員の方にも、就業態度とかに問題があったんですね。前の会社で取引先から出入り禁止になってたりとか。日々の仕事ぶりもあまり良くなかった。だから社長さんとしてはすぐにでも解雇したくてウズウズしてて、それがもう耐えられなくなって解雇したら、そういう訴えを起こされてしまって。

前もって、就業規則とかが整備してあれば、何の問題も無く縁を切ることができたはずだったんですよ。ただ、規則がきちんと整備されてなかったのと、社長さんが労働法の関係にあまり詳しくなかったっていうことがあって、トラブルになってしまったんです。

組合に駆け込むと、組合と会社との団体交渉になって、解決が簡単にはいかなくなるんですね。こういう場合は、解雇された方も会社に戻りたくはないですし。そうすると解決策は結局お金になっちゃうんですね。で、そのときは何とか金額の折り合いもついて、一応解決したんですけど。

で、その社長さんとは顧問契約をその後、結ぶこともなく相談が終わったら音沙汰もしばらくなかったんですね。

ところが、数ヶ月したらまたその社長さんから電話がかかってきて、「また問題が発生しました」って。残っていたもう一人の従業員が「私を辞めさせてくれ」って言ってきたらしいんですね。自分から、「リストラしてくれ」って。で、社長さんは最初は「しないよ」って言ったんですけど、あんまり何度も「リストラしてくれ」って言うもんだから、根負けして「じゃあ、もう好きにすれば」って言ったら、その従業員が「辞めさせられた!」って労働組合に駆け込んだっていう相談だったんですよ。どうやら、最初のトラブルを横で見ていて、便乗しちゃったみたいなんですね。

で、結局、こちらも団体交渉になってお金で解決っていうことになっちゃいましたね。

---その社長さんは全然悪くないようにも思いますが、「好きにしろ」って言ったことが良くなかったんですか?
蜂谷:もう証拠が何にも残ってなかったんですよ。「自分から辞めさせてくれって言った」「いや、辞めろって言われた」っていう、「言った」「言わない」の世界になっちゃったんで。

で、その会社は、終わってみれば、もともと従業員二人の会社ですから従業員さんが0になっちゃったんですよね。大打撃です。

だから、会社の大小、人数に関わらず、そういうことは起きる可能性があるんで、最低限のことはやっとかないと、足元をすくわれる可能性はあります。そういうことがあると、今までちゃんとやってた人の秩序も乱れる、社内がどんどん不安定になります。

特に中小企業だと従業員さん一人のウェイトが大きいから、すごい打撃になっちゃうんですよ。むしろ中小企業だからこそ、就労管理はきちんとやっておかないといけないなって僕も改めて思いましたね。

---その今の事例の場合、最初の従業員とのトラブルはどうしたら防げてたんですか?
蜂谷:まず、就業規則など、会社のルールをきちんと作っておく必要がありました。それで、規則に抵触するようなことがあった場合には「訓戒」とか、まぁいわばイエローカードを提示します。それが蓄積された場合は、「あなたはこれこれこういう理由で辞めて頂きます」っていう風に段階を踏んで、なおかつ何かあったら始末書をとったりとか、証拠となる記録を残しておけば、訴えられたときも対応が可能です。さっきのケースでは、その辺が何にもなかったんで。

---そうすると、たとえ従業員が一人だけでも、それがアルバイトであっても、就業管理はキッチリやっておいた方がいいと?
蜂谷:そうですね、従業員の多少に関係なく、そういうことが発生する可能性はあります。少なくとも、契約書や労働条件については書面で取り交わしてもらいたいですね。
「経理のパートナー」として税理士さんがいるのと同じように、「人事労務管理の身近なパートナー」としては、われわれ社労士がいます。餅は餅屋じゃないですけど、経理に関しては税理士さん、人事労務に関しては社労士っていう風に考えて頂ければ嬉しいですね。それと、社労士は行政の人間ではないので「こんなこと聞いたらマズイかな・・・」なんてことも相談できますよ。初回のご相談は無料ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

それと、中小の会社さんが、社労士と顧問契約を結んで頂くメリットがもうひとつあります。普通、経営者の方が自ら労災の手続きをした場合、ご自身は労災に入ることはできないんですね。でも、これはあまり知られていないんですが、僕に労働保険の事務委託をして頂いて、国の労災保険を作ると、経営者の方でも労災に入れるんです。

工場とか普通の従業員さんと一緒になって仕事される社長さんとか、お店でご自身も作業に従事されている方とか、そういう場合も仕事中のケガについては従業員さんと同じ、国の労災が受けられます。その労災は治るまで受けられるもので、民間の保険会社みたいに日数の上限は無いので安心です。業種によっては保険料も相当安いのでお守りがわりとしておすすめの制度ですね。

---ハチヤ事務所との顧問契約の中のひとつのサービスとして受けられるということですね?
蜂谷:そうですね。要は僕と社労士業務の顧問契約を結んで頂ければ、そういう労災への加入権利もオプションで付いてくるっていうことになります。
「将来、後悔したくない」と社労士の道へ
蜂谷代表---社労士になったキッカケを教えてください。
蜂谷:大学を卒業してサラリーマンになったんですけど、僕が入った会社が社労士さんと顧問契約を結んでいて、その窓口の部門に配属されたんです。で、「へぇ、そういう仕事があるんだ、国家資格なんだ」って興味を覚えまして。「じゃ、自分も試験を受けてみようかな」と思って。

その頃の自分の気持ちとして、勲章って言うのかなぁ、何か自信になるものが欲しかったんですね。別に、社労士の資格をとって転職したいとか、そういうつもりはなかったんですけど。

それで有隣堂で社労士試験の本を買って来て読んでみたら、あまりにも難しくて「こんなのできねぇ」って一度はあきらめました(笑)。

しばらくしてもう一回その本を開いたときに、なぜか「もうやるしかないな」っていう気持ちになって。それで、会社勤めを続けながら独学で勉強して、平成11年(1999年)の試験に受かったんです。

---試験に受かってすぐに社労士の仕事を始めたんですか?
いいえ、そのままサラリーマンやってました。で合格して2年ぐらいしたときに、会社で異動を命じられまして、異動先は社労士とは全く関係ないところだったんですね。そこで、せっかく資格取ったんだから、どこかに活かせる場はないかなって思って一念発起して退職して。

そのときに勤めていた会社は、半官半民に近い、すごく安定してる会社だったんですね。座ってれば高給ではないけど、お給料は必ず出て、有給も結構使えて、夏休みもちゃんとあって。だから、親には随分反対されましたね。「なんで辞めるんだ」って。

---なんで辞めたんですか?
蜂谷:社労士の仕事が自分に向いてるかどうかはわからなかったんですけど、せっかく資格を取ったんだから、将来、後悔したくないっていう思いがありました。とりあえずその業界に足を突っ込んでみて、「センス無いなぁ、やっぱりダメだったな」っていう方が諦めがつくかなと思ったんですよ。

で、さっきお話しした社労士さんに「バイトで来てみる?」ってお話しを頂いて、その事務所で働くことになりました。そんなわけで、後に正社員にはなりましたけど、最初はバイトだったんで給料は半減しました。でもそれはそれで後悔はしてないですね。

蜂谷代表---最初に入った事務所での仕事はどんな感じでしたか?
蜂谷:仕事を手取り足取り教えてもらったっていう感じではないですね。職人肌というか、「俺の背中を見て覚えろ」っていう感じ。新米のときも、いきなり資料を渡されて「これやって」って言われて。やり方とか手順とか教えてもらえない。だから、事務所に保管されてた同じような案件の書類を自分で探し出して「あぁ、こう書くんだ」っていう、その積み重ねでした。

そんな感じの事務所だったんで、続かない人も少なくなかったんですが、僕は「なにくそ」っていう反抗精神があったみたいで(笑)。そういうやり方で仕事を覚えたおかげで自分で考えること、応用することが自然に身に付いたんですね。だから、すごくありがたいと思ってます。

---前の事務所から独立したキッカケは?
蜂谷:その事務所に入って3年半ほどたった頃ですね、たぶんこのままここに5年、10年いたとしても、自分はあんまり変わらないだろうと。それなら、どっちに転ぶにしても、若いうちに、いまこのタイミングで自分で開業した方がいいだろうと思いまして。機動力を活かせる年齢、「若いね」って言われてるうちにやった方がいいだろうと。

それと社労士はたとえばお店とは違って、店舗もいらない、仕入れもいらない。まぁ、電話ひとつ、机ひとつあれば看板は出せる仕事だったんで、ダメかもしれないけど、とにかくやってみれば諦めつくだろうっていうことで、やってみようって。ウチの奥さんに「3年だけ我慢して」って言って(笑)。
で、最初はなかなか大変だったですけど、最近ようやくなんとか食べていけるような感じになって。これからまた少しずつ広げていけたら、この業界で「いけるのかな」っていう感触ですね。

---今の仕事のやりがいは?
蜂谷:大変な仕事ではあるんですけれども、さまざまな方面の方と話をしてるときがすごい楽しいというか。自分一人では業種の異なる仕事を一度にすることはできないじゃないですか。たぶん僕の年齢で、そういう風にさまざまな業界の社長さん、経営者の方と話す機会は、普通だったらそんなに無いと思うんですよ。いろんな経験ができてる、貴重な話を聞けてるなって思いますね。
あとは、仕事をさせて頂いて、「ありがとう」「助かった」っていうねぎらいの言葉を頂くと、「あぁ、やってて良かった」って思いますね。

---辞めたくなったりは?
蜂谷:今のところはないですね。「厳しいな」とはよく思いますけど。営業ベタというか、営業職出身でもないんで、自分で「押しが弱いな」って思うことがありますね。ただ、「性格だからいいのかな」と思う部分でもあります。
磯子区民で良かったなと、誇りに思ってます。
蜂谷代表---生まれは磯子区?
蜂谷:生まれも育ちも磯子区ですね。ほとんど杉田に住んでて、一時期ちょっと梅林に住んでたんですけど。だから生まれてから杉田と梅林のどっちかにしか住んだことないです(笑)。

---学校は?
蜂谷:幼稚園は今はなき東漸寺幼稚園です。建物は今でもあるんですけど、法事のスペースになっちゃいましたね。で、杉田小、浜中、と進んで高校は横浜市立の金沢高校です。大学は八王子の私立大学の法学部に行きました。

---小さい頃によく言われたことは?
蜂谷:「欲がなさ過ぎる」ってよく言われましたね。それは独立した今でも感じることはあります。「がっついてない」感じというか。でもそれは性格上、しょうがないかなとは思ってるんですけど。「やればできるんだから欲を出しなさい」とはよく言われました。

---休日はどんなことをしていますか?
蜂谷:昔はドライブによく行ったんですよ。クルマを運転するのが好きなんで。この仕事を始めるちょっと前までロードスターっていうオープンカーに乗ってたんですよね。もちろんマニュアル車です。

でもある日、家内が免許を急に取るって言い始めて。「頼むから免許はオートマじゃなくてマニュアルで取って」って、マニュアルで取ってもらったんですけど、いかんせん教習所とは車種が違うんで、乗ってみると、明らかにロードスターで公道を運転するのは無理だろうっていう感じで。車高が低いんで、「地面走ってるみたいでやりにくい」って言われて。もう泣く泣くあきらめて、オートマのクルマに乗り換えました。

---悲しかったですか?
蜂谷:もちろんですよ(笑)。しかもですね、ウチの車庫がちょっと入れにくいんですね。結局、家内は自分じゃ出し入れできないってことで、今はほとんど乗ってないんですよ(笑)。

---それはますます悔しいですね。
蜂谷:そうなんですよ(笑)。だから、どうにかしたいと思っていま買い戻し作戦を考えてるんです。中古車でも構わないんで。仕事がもう少し軌道に乗ったらって思ってます。

---学校時代の部活は?
蜂谷:中学のときにバスケット部ですね。高校では部活は入って無かったですね。僕の一番不毛な時期が高校時代なんですよ。何がしたいかわからなかったっていうのもありますし、塾にも行ってなかったですし、彼女とデートばっかりしてた(笑)。そのときが一番モテたかな。その反動でいま全くモテないんですけど(笑)。こんなこと言ってると奥さんに怒られちゃいますね。

で、高校の3年間、勉強もせず、スポーツもせず、で来てしまって。高校の3年間ってあんまり記憶にないんです。それぐらい自分の中で「しまったな」「無駄な時間を過ごしたな」っていう。大学では反動で4年間、それなりにしっかり勉強して、運良く就職ができましたけどね。

ただ、高校の友達って言うのは、何年か前にクラス会があったんですけど、いろんな人がいて面白いですね。

蜂谷代表---大学のときは?
蜂谷:サークルとかには入ってなかったですね。クラスの友達と、八王子や町田に行ったりはしてました。あとは神戸橋のところのクロネコでバイトしてました。仕分け。

---結婚したのは?
蜂谷:27歳のときですね。修行時代の社労士事務所にいたときですね。友達の紹介で。

---奥様はこの辺のご出身ですか?
蜂谷:富岡です。

---じゃぁ、磯子区から見ると、お隣みたいなものですね。
蜂谷:「なんでも身近なところから」(笑)っていう感じで。そんなところまで地域密着で(笑)。

---磯子区をどう思いますか?
蜂谷:そうですね・・・、横浜市の北部っていうのは地元の人じゃない方が多いですよね。対照的に、磯子区とか横浜の南部っていうのは、結構昔からいらっしゃる方が多い印象があります。で、適度に田舎で、横浜の中心部にもすごく近いし、いろいろな施設も充実してますよね。だからとても住みやすくて、誇りに思ってます。「区民で良かったな」と。

---どこかに引っ越したりするつもりは?
蜂谷:ないですね。僕なんか中学の友達でも、親元を離れても杉田とか磯子で住居を探す人っていうのが結構多いんですよね。そんなことからも、すごい魅力があるというか住みやすい街なのかなとは思いますね。

---「それでもここはこうして欲しい」っていうような点は?
蜂谷:杉田で言うと、僕が子どもの頃は結構商店街も賑わってたんですけど、今はどうしても大型店、チェーン店が増えてきてるんで、そういう地域密着のお店っていうのか、地域振興も充実させて欲しいですね。いろいろやってはいるんでしょうけどね。「味」というのかな、そういうあたたかい雰囲気も残していくような政策もやって頂けたらな、と思います。

---おすすめのスポットは?
蜂谷:磯子スポーツセンターは以前、よく使ってて、必ずランニング・マシーンやって筋トレして。インストラクターの方もいらっしゃって、いい汗がかけるんで、値段も安いですしね、300円ぐらいだったかな。混んでることも多いみたいですけど、おすすめですね。最近は仕事が忙しいこともあってあまり行ってないんですけど、また通いたいなって思ってます。

---おすすめのお店は?
蜂谷:ラーメンなら満州軒が一番好きですね。こがしネギラーメン。
YAWARA!の最終巻で泣くのは僕ぐらい。
---ここからは一問一答です。特技は?
蜂谷:人の話をいくらでも聞いていられるっていうのが特技ですかね。聞いてるのは全然苦にならないですね。

---好きな有名人、芸能人は?
蜂谷:昔は森高千里が好きだったんで、CD全部もってます。

---最近は?
蜂谷:癒し系が好きなんで、安めぐみとか、ちょっとほわっとした人がいいですね。

---好きな作家は?
蜂谷:村上春樹の独特な世界は好きですね。「ノルウェーの森」かな。

---好きな画家?
蜂谷:画家? すごい質問ですね(笑)

---これは、新しい質問です(笑)。
蜂谷:うーん、ヒロ・ヤマガタは結構好きですね。原画は高いのでポスターを買うぐらいですけど。

---好きな漫画家は?
蜂谷:浦沢直樹です。浦沢直樹っていうと、たぶん、「20世紀少年」とか「マスター・キートン」とかをあげる人が多いと思うんですけど、僕は「YAWARA!」ですね。「YAWARA!」で泣ける男なんですよ、僕!

---どの辺で?
蜂谷:主人公の猪熊柔(いのくま・やわら)と、新聞記者の松田さんの甘く切ない恋物語ですね。最後の最後に恋が成就するっていう話なんですけど、基本的には柔道マンガなんで、あの最終巻で泣くのは僕ぐらいだと思います(笑)。

---好きな映画は?
蜂谷:『名探偵コナン』とか、アニメだけど結構ストーリーがちゃんとしてて。毎年ゴールデン・ウィークに新作のロードショー公開があるんですけど、必ず劇場に見に行ってます。

---好きなブランド?
蜂谷:しいて言うと、adidasかな。あとは、J-CREWとか、形というか感じが好きで。

---J-CREWはマイカル本牧に前、お店がありましたよね。
蜂谷:そうなんですよ! 今は無くなっちゃったんですけどね。スタンプ・カードが結構貯まってたのに、無駄になっちゃって(笑)。今はランドマーク・プラザにお店がありますね。

---好きなスポーツは?
蜂谷:見るのはサッカーが好きで、やるのは野球が好きです。野球部でも何でもなかったんですけど、前から軟球の草野球は結構やってたんですよ。

---見るのがサッカーでやるのが野球っていうのはあまり聞いたことがないです。
蜂谷:野球は見てると自分がやりたくなっちゃうんですよ(笑)。サッカーは逆に自分はすごいヘタなんで、だから見てるのが楽しいという。

チョロQの箱---野球は今でもやってるんですか?
蜂谷:今はやってないですね。機会があれば、やってみたいなとは思ってます。

---よく読む雑誌は?
蜂谷:「ベストカー」っていうクルマの雑誌ですかね。

---集めているもの?
蜂谷:最近は買ってないんですけど、チョロQはたくさん集めました。見ます?
(※ということで、出して頂いたのが、右の写真と下の写真です。)

---子どもの頃の夢は?
蜂谷:うーん、夢のない人間だったなって思うんですけど、「普通にサラリーマンになれたらいいな」って思ってました。でも年齢があがってくるにつれて、「あ、野球をちゃんとやっときたかったな」っていう思いが強まりましたね。別にプロ野球いけたかどうかわかんないですけど、せめて高校に入ったときに野球部に入って、ちゃんと硬球でやりたかったなっていう。

チョロQコレクションの一部
チョロQコレクションのほんの一部。左上からテレビ朝日の中継車、NHKの中継者、コカコーラのトラック、ミニストップのトラック。
---好きな言葉?
蜂谷:「継続は力なり」。それと、事務所を開設してから、「武士は食わねど高楊枝」が加わりました(笑)。見栄を張るっていうことではなくて、「ケ・セラ・セラ」ていう意味合いで。

---今日は長時間、ありがとうございました。


取材を終えて
物腰がやわらかく、「誠実」という言葉がまさにぴったりの蜂谷さん。でもソフトな外見や口調とは裏腹に、脱サラ・独立に際して「後で後悔したくなかった」などの発言から、蜂谷さんの芯の強さが感じられたインタビューでした。
それから、強調しておきたいのがホームページの素晴らしさ。会社を経営している方だけでなく、会社で人事関連のお仕事をされている方も、是非いちどハチヤ事務所のホームページをご覧ください。説明が具体的で、とても充実しているので、なにか役に立つことがあると思います。
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